1. カンナとは

英名:Kanna、ラテン名:Sceletium tortuosum

カンナは南アフリカ原産の、精神活性作用があるとして知られた多肉植物です。幻覚や依存性はなく、南アフリカでは、ストレス性の高い狩猟前に感覚を鋭敏にするためなどに伝統的に利用されてきました。スピリチュアルな儀式、お茶、ガム、喫煙などの用途に利用されます。

カンナはまた、疼痛管理、食欲の制御、脳の認知機能の向上などへの助けとして研究されています。

 

出典

 

  1. カンナの成分と作用機序

 
カンナはメセンブリン、メセンブレノン、メセンブレノール、メセンブラノールといった特徴的なアルカロイドを含有しています。

 メセンブリンとメセンブレノンは主要なアルカロイドと考えられており、前者はin vitroで強力なセロトニン再取り込み阻害物質(SRI)であることが確認されていますが、後者はSRIとPDE4阻害作用の両方を持ち合わせています。

セロトニン再取り込みを阻害することで、抗うつ、抗不安作用を、PDE4阻害することで、注意力、集中力を高めることが期待されます。カンナの植物全体には、重量に対して0.05〜2.3%のアルカロイドが含まれていると言われています。 

 

  1. カンナに期待できる働き


① メンタルの健康をサポート

カンナは、心身を深くリラックスさせ、執着的な考えを鎮め、心、体、感情をホリスティックなレベルで統合するのに役立ちます。


② ストレスや不安感の軽減

カンナは、脳の活動や自律神経系を落ち着かせる働きがあり、思考やコミュニケーションにより多くの安らぎと広がりをもたらすことができます。これにより、1人の時だけでなく社交的な場にいても、心のバランスが保て落ち着いた状態で、人生を楽しむことができるようになります。


③ 気分の高まり

カンナはセロトニンのレベルを向上させる働きがあり、不安感や落ち込んでいる気分を高めてくれます。


④ 睡眠の質の改善

カンナのリラックス効果やストレス緩和は、不眠症に悩む人々の睡眠の改善にも役立ちます。不眠症の原因はさまざまですが、カンナは体と心にリラックス効果をもたらし、睡眠周期に関与するセロトニンへの潜在的な影響から、入眠に苦労している人々に役立つ可能性があります。

その穏やかな鎮痛作用は、軽度の痛みや痛みによる不安にも役立つかもしれません。ただし、カンナが睡眠にどのような影響を与えるかについては、さらなる研究が必要です。


⑤ 食欲の抑制

カンナには食欲を抑える働きがあります。南アフリカの先住民族であるコイサン族は、狩猟の際に、長時間の飢えと渇きを抑え、狩りに集中するために伝統的にカンナを使用してきました。

 

 

  1. カンナの安全性に関する研究と副作用


カンナ抽出物「ゼンブリン」を用いた臨床試験があります。

健康な成人37名を対象に、3ヶ月間、2:1カンナ標準化エキストラクトを1日8mgまたは25mgのサプリメント(ゼンブリン)を投与した、無作為化二重盲検試験が南アフリカで実施されました。3か月後に、心血管パラメーター(血圧、脈拍、呼吸率)や主観的に報告された副作用に関連する変化は見られませんでした。

上記の臨床試験では、主な副作用の報告はありませんが、調べた限りでは稀に胃腸不快感や頭痛を生じる場合もあるようです。

 

5.気をつけたい医薬品の併用


カンナはセロトニン再取り込み阻害作用があることから、同様の働きをするSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害薬)、併用することでセロトニン過剰を生じる可能性のあるMAO阻害薬と併用しないでください。

セロトニンが過剰になると、不安になる、混乱する、いらいらする、興奮する、動き回るなどの精神症状、手足が勝手にぴくぴく動く、震える、体が固くなるなどの神経や筋肉症状、汗をかく、熱がでる、下痢になる、脈が速くなるなどの自律神経症状が見られることがあります。 そういった場合、カンナの摂取量を減らすか中止してください。

 

 

  1. カンナのはじめて使う場合の注意点


カンナを初めて試す場合、人によって頭痛や吐き気、時には嘔吐やお腹が緩くなる場合もあります。これらの副作用は正常で、体がカンナに慣れるための「プライミング」として知られるプロセスの一部です。

通常、数回の摂取後に身体が慣れてくるため、これらの症状はなくなりますが、カンナに対して敏感な人もいればそうでない人もいるので、万人に共通する方法はありません。

これらの副作用が発生した場合は、摂取量を減らし、体の感覚に注意を払いながら必要に応じて徐々に増やしてください。また、水分補給も忘れずに。

 

  1. カンナ製品の選び方と信頼性


カンナはパウダー、カプセル、ガム、ティンクチャー、お茶と様々な製品が販売されています。摂取量についても、1回分が15~50mgの製品が多く見受けられます。大切なポイントは、カンナに含まれるアルカロイドの量です。

アルカロイドの種類や含有量を確かめ、信頼できる販売業者から製品を購入することをおすすめします。

※当店で取扱っているカンナ製品(KA!)に使用されているカンナのアルカロイド含有量は、下記の通りです。

 

 

主要総アルカロイド > 7.4%  / メセンブリン総含有量 > 4.9%

 < アルカロイドプロファイル >

メセンブリン 77.8%、メセンブレノン 15.9%、デルタ7メセンブレノン 6.1%

 

  1. まとめ


カンナは古来より伝統的に使用されてきたハーブではあるものの、SSRIやMAO阻害剤との併用で、セロトニン過剰による副作用も生じること、漫然と長期にわたる使用は避けることは知っておくべき注意点です。

軽い気分の落ち込みや、気分を少しアップリフトさせたい、心のバランスを調整したいそんな時に、医薬品以外の選択肢として、天然の植物の力を試してみることも1つの選択肢となるでしょう。

 

 

 

Reference:

https://examine.com/supplements/kanna/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23441963/
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/06/190624173822.htm
https://kaempathogenics.com/

 

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